昼と夜の狭間で

窓から差し込む午後の光は、まるで、私を美術館の女神にしてくれた、あの日の光のようだ。 しかし、この部屋の空気は、あの神聖な空間とは全く違う。 昼と夜の間に存在する、曖昧で、誰にも知られない、私だけの時間。 私は、床に座り込み、その曖昧さを、肌で感じていた。
今日の私は、淡い紫のドレスをまとっている。 この色は、昼間の私を象徴する白でもなく、夜の私を象徴する黒でもない。 光に照らされると、どこか儚げな、優しい色に見えるけれど、 影の中では、夜の闇に溶け込んでしまうような、深い色にもなる。 このドレスは、まるで、私の心そのもの。 昼と夜、二つの世界を行き来する、私の心をそのまま表しているようだ。
足元には、またしてもこの網タイツ。 昼間の私は、白いタイツを履き、軽やかで、開放的な自分を演じていた。 しかし、この夜の網タイツは、私の中にある、少しの弱さや、不安を、美しく隠してくれる。 この網の目が、私という存在を、誰にも触れさせない、見えないベールで包み込んでいるような気がする。 それは、私を守るための盾であり、同時に、私の心を開放するための鍵でもある。
窓から差し込む光は、私の肩を優しく照らしている。 しかし、その光が届かない場所は、深い影に覆われている。 昼間の私は、いつも、光の中にいようと努力してきた。 明るく、前向きで、誰からも愛される私。 しかし、この影の中にいるもう一人の私は、 そうではない。 孤独や、不安、そして、誰にも言えない秘密を抱えている。
どちらが本当の私なのだろうか。 光の中にいる私? それとも、影の中にいる私? きっと、どちらも、本当の私なのだ。
私は、このドレスのように、光と影、両方の自分を受け入れたい。 光の中にいる自分も、影の中にいる自分も、どちらも愛おしい、私という存在の一部なのだから。
窓から差し込む光が、少しずつ、その輝きを弱めていく。 もうすぐ、夜が来る。 夜が来れば、私は、この紫のドレスを脱ぎ捨て、もう一人の私になる。 けれど、この昼と夜の狭間で感じた、このドレスのように曖昧で、複雑な感情は、 きっと、私を、もっと深く、もっと豊かにしてくれるだろう。 私は、この光と影の中で、静かに、そして力強く、自分自身を織りなしていく。